報告書を渡して終わりにしない。それだけは、最初から決めていました。
2017年、橘 誠一郎東京・神田に設立しました。前職は大手コンサルティングファームで、製造業クライアントの工場再編と組織設計を担当していました。7年間で十数社の案件に関わりましたが、ある中堅メーカーの案件で転機が訪れました。完成した報告書を経営者に渡した翌月、その会社は提言の半分も実行できていませんでした。理由は単純で、報告書が現場の実情から離れすぎていたからです。その経験が、独立の直接的な動機になりました。
Warpond Outlookという名前は、「水面の向こうに何が見えるか」という問いから来ています。池の表面に映る像は、実際の景色の反転です。経営者が見ている数字や報告も、現実の一つの映し方に過ぎない。そう考えて、もう一段深く、構造そのものを見ることを仕事の中心に置いています。現在は橘 誠一郎3名体制で運営しており、年間に受け入れるクライアント数を意図的に6社以下に絞っています。関与の質を保つための、意識的な選択です。
橘 誠一郎、大手コンサルティングファームにて7年間、主に製造業の組織再編と工場オペレーション改善を担当した後、2017年にWarpond Outlookを設立した。早稲田大学商学部卒業後、同大学院でMBAを取得。前職では中部地方の自動車部品メーカーを含む12社の案件に関与し、うち3社で事業承継プロセスの設計を主導した。独立後は「実行されない提言を書かない」という原則を事務所の中心に置き、クライアントとの対話を重視したスタイルを確立している。休日は将棋の詰め将棋を解くことを習慣としており、「一手の意味を問い続ける訓練が、経営の問いを立てる感覚に似ている」と話す。